フリースクール『ワクノソト☆』の三國雅洋です。
ワクノソト☆では、児童・生徒を学校に戻そうとはしません。だからといって、勉強をないがしろにしているわけでもありません。どのようなゴールを目指すにしても、学問は役に立ちます。勉強をないがしろにするのは、ゴール達成を遅らせることになります。
しかし、勉強するために学校に行く必要はありません。塾や家庭教師に行く必要もありません。むしろ、学校に行かないほうが、社会においても役立つ力が身につきやすいとさえ思っています。
学校の児童・生徒の８割は、基本問題が解けても応用問題が解けません。例えば、計算はできても、文章題が解けないのです。英単語を覚えていても、長文を読み取ることができません。
正解を「IFｰTHEN（もし～なら、そのとき）」という形式で表すことができることしか、できないのです。解法が明確に決まっている問題だけが解けるのです。
しかし、この「IF-THEN」形式で表すことができるものは、大抵プログラミングすることができます。つまり、機械で実行できるものなのです。
機械のほうが上手にできることを、どれだけ上手にできるようになっても意味はありません。私達は電卓やEXCELなどを使って計算をするようになりました。英単語の意味も、GOOGLEや電子辞書で調べる時代です。機械に対抗する意味などありません。
これからの社会において必要となるのは、これらをツールとして使いこなすことです。GOOGLE翻訳を使いこなして、英文を読むことができる力のほうが求められます。平方完成をしなくても、微分を使えば簡単に最小値を出せると気付くことのほうが大切となります。数字の計算に、電卓やECXELを使わずに暗算や筆算している大人が増えたら、日本も終わりです。
勉強内容を手段として使いこなすことのほうが、重要なのです。
しかし、学校ではこのような手段として使いこなすことを教えません。正確に言うと、教えることができません。学校自体が、学問をツールとして使いこなせていないからです。
学習に関する学問は幅広くありますが、学校はその学問を使いこなせていません。記憶の仕方、理解の仕方などさまざまな学問成果があるのに、それを使っていません。児童・生徒の理解度に関係なく宿題を出し続ける教師は、一度学習法について真剣に学んだほうがよいでしょう。また、学校ではディベートの方法についても教えているようですが、学校内で意義あるディベートが行われているとは到底思えません。学校がブラック校則を改善しないのは、ディベートができないからにすぎません。そもそもディベートについて、本格的な書籍を読んだことさえないでしょう。
自分ができないことを、人に教えることはできません。よって、学校では学習内容を道具として使うことを、教えることはできません。
学問を使いこなす力を身に付けるために必要となるのは、ゴールです。
自分が現状のままでは達成できないけれども、達成したいゴールです。
そのゴールのために試行錯誤する中で、学問が役立つことに気づきます。
日本のアニメを観て日本語を覚えたという外国籍の方は多いですが、その過程で間違いなく日本語文法は学んでいるはずです。自分でゲームを作りたいと思ったら、どうしても英語と数学の知識が必要となります。音楽が上手になりたいと思ったら、音楽理論に興味を持つものです。Youtuberになりたいと思ったら、動画の撮影や編集の知識、またファイル形式などは、自然と身に付きます。
ゴールの達成に向けて、試行錯誤する中で、学問等の理論を道具として使う力が身に付きます。
しかし、学校に行くと「IF-THEN」を覚えること、身に付けることに時間を割かれます。
自分で設定したゴールのために時間を使うことができなくなるのです。
そのため、学習内容を活用する能力が育ちません。
これからの社会においては（現時点においても）、学問的知識をどれだけ持っているかではなくて、その知識をゴールのためにどれだけ活用できるかのほうが重宝されます。
そのために必要となるのは、子供が自分のゴールのために活動する時間を増やすことです。そして、そのゴール達成のサポートとして、学問的知識を授けるスタイルを取ることです。
これは学校ではできません。ですから、学校に行く時間が少ないほど、活用力や思考力は高めやすいのです。
確実に言えることは、学校に行きさえすれば社会で役に立てる人になれるという時代は終わりました。社会人のほとんど言う通り、学校で学んだことは社会では役に立たなくなるのです。
社会に貢献できる大人を育てたいのであれば、子供のゴール達成を支援しましょう。そして、その支援の中に学問的知識をちりばめていくのです。少なくともそれができるのが、教育者というものだと私は思っています。
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