フリースクール『ワクノソト☆』の三國雅洋です。
ホームスクーリングをするとき、保護者として一番の悩みは「どうやったら勉強をしてくれるか」ではないでしょうか。
今回は、子供を勉強に誘う方法について書いていきます。
「キッチンタイマーを使う」、「保護者が教科書を読み始める」、「保護者が子供に質問をする」、「アプリを使う」、「パズルを使う」などの方法があり、これらはすべて「作業興奮」という脳内減少を利用したものです。
どれも私が家庭教師や塾講師などで利用している方法ですので、ぜひ試してみてください。
【1】キッチンタイマーを使う
もっとも簡単な方法が、キッチンタイマーを使うことです。
「じゃあ、今から15分間勉強するよ。」と言って、キッチンタイマーをセットし、ボタンを押します。
キッチンタイマーは、ボタンを押すと「ピッ」と音が鳴るものが多いですが、この音が重要です。この音が勉強のスイッチを入れてくれます。
学校では開始と終了で、チャイムが鳴ります。チャイムが、勉強の始めと終わりを明確に表しています。この明確な区切りがあることで、勉強をスタートしやすく、集中もしやすいのです。
家庭にはチャイムがありませんから、その代わりをキッチンタイマーで代用します。
時計で、「何時から何時まで勉強しよう」とする保護者が多いですが、これはお勧めしません。キッチンタイマーという機械によって、終了時間が明確に決まるから始められるのです。
【2】保護者が教科書を読み始める
保護者が教科書や問題集を読み始めることで、子供を勉強に誘うこともできます。
これは、私がよく使う手でもあります。
キッチンタイマーを使っても、なかなか集中できない子はいます。
そういう子がいる場合、私は、その子供の教科書を読んだり、問題を解き始めたりします。つまり、私が勉強を始めるのです。
そうすると子供は、不思議なことに「自分もやろうかな」という気になるようです。
他の人がやっていることを、子供はやりたがります。
子供を勉強に誘いたい場合は、自分が勉強をすればよいのです。
【3】「保護者が子供に質問をする」
子供を勉強に誘う方法として、保護者が子供に質問をするというのもとても有効な手です。
あなたが子供の教科書を読んだり、問題を解いたりする中で疑問に思ったことを、子供に尋ねてみましょう。子供にクイズを出すのではありません。あなたが正解わかっていることを尋ねるのではなく、あなた自身もはっきりとした正解がわからないことを尋ねるのです。
保護者から教科書の内容についてクイズを出されても、楽しくはありません。保護者から純粋な疑問を尋ねられるから、子供は楽しいのです。
教科書の内容は、どんどん変わってきています。小学校では「さくらんぼ算」という、むしろ分かりにくい方法で勉強をしたりもします。鎌倉幕府の成立年を1192年とは書かなくもなっています。
保護者が教科書を読むことで、疑問に思うことはたくさんあるはずです。特に国語や道徳の教科書は、私からすると疑問ばかりです。
そのような自然な疑問を、子供にぶつけてみましょう。
子供が教科書に興味を持ってくれます。
【4】アプリを使う
最近では、勉強に役立つアプリも増えてきました。
息子は最近は「妖怪ウォッチワールド」で遊んでいますが、少し前までは『鬼桃語り』というアプリで遊んでいました。
英会話学習アプリなのですが、とてもよくできていて楽しく学習ができます。息子もこれで英語に自信がついたようです。
掛け算についても、アプリを使って練習をしたりもしました。
せっかくのホームスクーリングなのですから、このようなゲームを取り入れていくほうがよいと思います。
教科書で体系を学び、ゲームで練習を行う感覚でいるとよいでしょう。
よいアプリを見つけるのは簡単ではないですが、一度見つかれば最高の教材となります。
【5】パズルを使う
ゲームを利用する方法として、パズルを使うのも有効です。
特にお勧めは宮本哲也先生の算数パズルシリーズです。
息子もこの算数パズルで、よく遊んでいました。
パズルをすることで「論理を使う力」が身に付きます。
この「論理を使う力」は、学校ではなかなか訓練をしにくいものでもあります。学校では「Why?(なぜ?)」と「So What?(だから?)」を考える機会が少ないからです。
パズルを使えば、この力が楽しみながら養えます。
他にも尊敬する留理先生から教えていただいた「思考力検定」の問題もお勧めです。
思考力検定の問題は、公立中高一貫校の入試対策にも使えます。私も中学受験をする生徒に、思考力検定の問題を解いてもらっていますが、ほとんどの生徒が解けません。普通に学校に行っているだけでは、思考力は身につかないのです。
【6】「作業興奮」を利用する
ここまでいくつか、「子供を勉強に誘う方法」についてお話ししてきました。
これら全ては「作業興奮」という脳内現象を利用したものです。
「作業興奮」は、「やる気は、やり始めると出てくる。」という脳内現象です。掃除を始めるまでは億劫ですが、掃除を始めてしまえば最後までやりきりたい気持ちになります。このようにやる気は、やり始めることで出てきます。
ですから、「どうやってスタートを切ればいいか」を考えればよいのです。
最初の一歩が小さかったり、楽しかったりすれば、勉強に取り掛かることができます。
取り掛かることができれば、「作業興奮」によってやる気が出てくるわけです。
ポイントは「勉強に取り掛かるまでの負担を小さくすること」です。
やり始めればやる気は出てきますから、まずは最初の一歩を小さくすることを心掛けましょう。
【7】子供を勉強に誘おう
学校で学ぶ内容は、直接的には社会では役に立ちません。
しかし、学校で学ぶ内容を知らないと、認識することさえできないことがたくさんあります。
私たちの身の回りには電波が飛び回っていますが、学校で学ぶ知識なしでそれを認識できる人はいないでしょう。
学習すればするほど、認識できることが広がります。子供の才能が発揮される場所は、子供がまだ認識できていない場所にあるかもしれません。
子供の才能を開花させるためにも、子供を勉強に誘いましょう。
今回の記事が、少しでもそのために役立てば嬉しいです。
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