「わかったつもり」が出発点!

オルタナティブ・スクール『ワクノソト』の三國雅洋です。


「この子は、すぐにわかったつもりになるんです」と、保護者の方からよく相談を受けました。

今回は、この不安を解消する方法をお伝えします。

それが、「『わかったつもり』は出発点」という指針を持つことです。


心理学で「流暢性の幻想」と呼ばれるものがあります。

《流暢性とは、情報を適切に素早く処理し出力する能力のことである。事実や公式や要旨がその場ですぐに思いだせると、翌日や翌々日になっても思いだせると信じてしまうのだ。この流暢性が招く幻想は非常に強力だ。主題や課題の内容をつかんだと思えば、それ以上勉強する必要はないと思い込む。人は忘れるという事実を忘れてしまうのだ。》(下記サイトから引用)

これは簡単に言えば「覚えたつもり」、「わかったつもり」、「できたつもり」となる心理性質のことです。人間はすぐこの「つもり」になる性質があります。


学習というのは、この「わかったつもり」を壊すこと、そしてまた「わかったつもり」になることの繰り返しです。「!」を「?」に変えること、「?」を「!」を変えること、この2つ何度も繰り返すのが学習です。

説明を聞いてわかったつもりになる。そして、問題を解いてみてわかっていないことに気づく。そして、また説明を聞いてわかったつもりになる。この繰り返しが学習なのです。

ですから、「わかったつもり」になるのはとてもよいことです。ここを出発点として学習を進めましょう。「わかったつもりになっているな。じゃあ、どこまで本当にわかっているかテストしよう。」と考えるようにするのです。このように考えれば、「わかったつもり」がまったく問題ではないことが分かると思います。

大人も子供も、簡単に「わかったつもり」になります。それは人間の性質です。ですから、それ自体は悪いことでもなんでもありません。

大切なことは、その後にその後に自己テストなどを通して「わかったつもり」だと気づくことです。そして、改めて「わかったつもり」になるように教科書を読み返したり、説明をしたりすることです。

「!」と「?」の繰り返しが学習です。ですから、「わかったつもり」は学習の出発点にすぎません。「わかったつもり」になることは、恥ずかしいことではありません。それは成長の一過程です。

むしろ家庭学習では、「わかったつもり」になることを目指してください。子供がどんどんわかったつもりになる様子を喜んでください。

そして、ときどき理解度をテストしてあげて「?」になることを手助けしてあげてください。

それが私がこれまでずっとしてきたことで、『ワクノソト』でもしていることです。きっと、あなたのご家庭でも役立つ指針だと思います。

カラフル ~ふ登校カフェ~(親の会) &ワクノソト☆ 福井県敦賀市

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福井県敦賀市で活動する不登校の親の会(誰でも参加できるお話会など開催)&学校教育の枠(ワク)の外に出てみよう!福井県敦賀市にあるフリースクール『ワクノソト☆』のホームページです。ワクノソトは休校中です。

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