オルタナティブ・スクール『ワクノソト☆』の三國雅洋です。
よく「何ができないのかを知るのが大切」って、人生の先輩はおっしゃいますよね。
たしかに私も、それは一理はあると思います。
しかし、「できない」の積み重ねによって、何か得られるものがあるでしょうか?
私たちの生活は、誰かの「できること」で成り立っています。
たとえば、今、私はパソコンで文章を書いています。このパソコンは、パソコンを配達できる人が届けてくれたために、今、ここにあります。そして、もちろん、パソコンを製造する機械を作れる人がいて、パソコンが作られています。
それぞれの1人1人が「できること」を積み重ね、重ね合わせて、私の前にパソコンがあります。
決して「できないこと」の上に積み重なっているわけではありませんね。
私たちは「できること」の上にのみ、新しい「できること」を積み重ねることができます。アルファベットが書けない子に、英文は書けません。アルファベットが書けるから、英文が書けるのです。私たちの日々は「できること」の上に成り立っています。
「できないこと」を積み重ねるとどうなるかといえば、学習性無気力と呼ばれる状態になります。「できない」を学習してしまうのです。
「自分にはできる」という感覚を「エフィカシー」と言いますが、これが少なくなればなるほどやる気は減っていきます。英語が苦手な生徒が、英語を自習するようになるのは稀(まれ)です。通常は、勉強を避けるようになります。
子供のやる気を引き出したいなら、「できること」に意識を向けさせるほうがよいのです。そして、同時に「今、できること」を組み合わせて、新しい何かが「できる」ように導くのです。アルファベットを全部覚えさせたいなら、まず覚えているものを書き出してもらう。そして、それらに似たものなど覚えやすそうなものを選んで覚えてもらう。そうやって「できること」を増やしていくのです。わざわざAから順番に始める理由なんてありません。
「できない」を意識させ続けるだけでは、子供のやる気を奪うだけです。
「何ができないか」を意識させたなら、同時に「何ができるか」も意識するように誘導しましょう。そうすることで、子供は挑戦しようという気持ちになるのです。
「できない」を積み重ねさせないことも、指導者としては大切なことです。
子供のやる気を引き出すためにも、「できる」を意識させるようにしてくださいね。
より詳しくは、明後日の「やる気の出し方セミナー」でお話ししますので、ご希望の方はどうぞ。
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