不登校を問題行動と捉えるのは、時代に遅れすぎている。

福井県敦賀市のフリースクール『ワクノソト☆』の三國雅洋です。

不登校を、問題行動と捉える人はまだまだ多いです。
しかし、少なくとも文部科学省は、学校教育内において、不登校を問題行動と捉えてはならないと通達を出しています。

《(3)不登校とは,多様な要因・背景により,結果として不登校状態になっているということであり,その行為を「問題行動」と判断してはならない。》

ただ、上記の通達は、不登校をネガティブな現象として捉えている点では、まだまだ時代遅れです。
不登校は、ネガティブな現象ではありません。

物事の価値は、欲望・関心・目的に応じて立ち現れます。(「価値の原理」西條剛央)

「よい/わるい」という価値判断も、その人々の関心等に基づくのです。

では、文部科学省は学校教育の目的をどのように捉えているのでしょうか。

上記の通達によれば《義務教育段階の学校は,各個人の有する能力を伸ばしつつ,社会において自立的に生きる基礎を養うとともに,国家・社会の形成者として必要とされる基本的な資質を培うことを目的としており》とあります。

しかし、少なくとも現在の学校教育は、”各個人の有する能力を伸ばす”、”社会において自律的に生きる基礎を養う”ための機関としては、かなり当てにならないことは確かでしょう。

もちろん、フリースクールならばこれらの目的を達成できるとは言えません。しかし、学校教育の「時間割」、「一斉授業」という形式では、これらの目的を達成することは不可能です。それは、これまでの何十年に渡る教育によって実証されていると言えるでしょう。

学校が、その目的を達成するための機関として不適切であるのに、なぜ不登校をネガティブな現象として捉えなければならないのでしょうか。あなたは、これまで数%の確率でしか東京に到着したことがない、「東京行き」と書いた鈍行列車に乗る方が正しい選択だと思うでしょうか。

各個人の有する能力を伸ばしたり、社会において自律的に生きる基礎を養うためならば、自ら目的を設定し、高い自己肯定感・自己効力感を持って、自ら試行錯誤できる環境を作ったほうがよいのではないでしょうか。

不登校は、そのような環境に自らを置くことです。ですから、むしろ、教育の目的に合致しているとさえ言えます。

もちろん、児童・生徒は社会についての知識が不足しています。ですから、その点は、教育者が学習をサポートする必要があるでしょう。

しかし、決して不登校は問題行動ではありません。

不登校を問題行動を捉えるというのは、学校に行けば教育目的を達成できるという幻想に支えられています。しかし、それは誰の目に見ても、達成できていないことは明らかでしょう。学校を卒業して、自ら学習する人の統計を見ても、これは明らかです。

不登校をネガティブな現象だと捉えること自体が、間違っています。不登校はネガティブな現象ではありません。

むしろ、教育目的をよりスムーズに達成するためのチャンスだと私は思います。





カラフル ~ふ登校カフェ~(親の会) &ワクノソト☆ 福井県敦賀市

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