フリースクール『ワクノソト☆』の三國雅洋です。
小学校で3割、中学校で5割、高校で7割が授業についていけていないと言われます。
不登校であろうとなかろうと、学業の遅れが生じるということです。
この学業の遅れを生み出す原因にはさまざまなものがありますが、一番の原因は「授業についていこうとすること」です。
授業を理解できない原因は、その前提となる知識・技術が身についていないからです。文字式の四則計算ができない子供が、どれだけ連立方程式の解き方を覚えても、意味がありません。計算で間違ってしまうからです。疑問詞(when,whereなど)の意味がうる覚えな状態で、教科書を読み進めるのは不可能です。「学業の遅れ」を取り戻すには、この掛けている知識・技術を身に付けるために時間を割く必要があります。
しかし、学校で授業を受けている限り、その時間を取ることができません。自分が理解できない授業を受け、さらに自分が理解できない内容の宿題に時間を取られるためです。全く身にならない時間を、毎日何時間も費やしているのです。
その点、学校に行っていなければ、このような不毛な時間を取られなくて済みます。自分にとって必要な知識・技術を学習する時間を、取ることができるのです。
本音を言えば、不登校の方が、学業の遅れを取り戻すのが簡単です。学習者本人にとって最適な学習を続けられるからです。板書するだけ、悩んでいるだけの時間を、その本人にとって有意義な学習時間に変えられるのですから、学習が進みやすくて当然なのです。
学業の遅れを取り戻すには、教科書を前から順番にやっていくのが一番です。教科書ガイドを使えば、1人でも読み進められます。
しかし、どうしても不安なら、薄い問題集を一冊解いてみるのをお勧めします。
たとえば、旺文社の「基礎づくり」シリーズはおすすめです。このシリーズが8割ほど解けるようになったら、教科書は一人で読めるようになっているはずです。
学校に行って、学校の授業についていこうとしている限り、自分に不足している知識・技術を埋める学習ができません。ですから、学校に行っていないほうが、むしろ遅れを取り戻しやすいのです。
私が家庭教師や塾講師をするときは、その時間内では学校の宿題をすることはまずありません。その宿題をするために必要となる基礎知識・技術が不足しているためです。
遅れを取り戻すには、現在の授業ではなく、学習者の知識・技術を中心とした学習が必要となります。そして、それができるのが不登校状態です。
もともと学校の授業がほぼ理解できていた、もしくは、理解できないところは先生に聞いて理解できていた、というようなことがない限り、不登校は学業の遅れを生じさせるものではありません。
むしろ、遅れを取り戻すのには最適な状態とさえ言えます。
どれだけの時間、授業を受けたか、宿題をしたかは、学業面ではあまり重要ではありません。「自分の成長につながる学習時間をどれだけ確保したか」のほうが、よほど大切です。そしてそれは、学校に行っていないほうが、確保しやすいのです。
不登校という状態を最大限に利用しましょう。自分のためだけに学習できる時間を、満喫しましょう。そうすれば自然と、学習の遅れはなくなります。
どうしても一人で勉強するのが難しいなら、塾や家庭教師を考えてみてください。ただし、学校の授業に合わせて進める塾や家庭教師はダメですよ。
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