福井県敦賀市のフリースクール『ワクノソト☆』の三國雅洋です。
今回は、家庭学習のサポート方法について書きます。
私は18歳から家庭教師をはじめ、塾講師などを行いながら20年以上、家庭教育に携わっています。
その経験をあなたのご家庭での学習支援に役立てていただけたら、幸いです。
学習支援には3つあります。
1 カウンセリング(落ち着ける)
2 コーチング(引き出す)
3 ティーチング(教える)
多くの人が「ティーチング(教える)」から取り掛かろうとします。
しかし、多くの子供にとって必要なものは「コーチング(引き出す)」です。
そして一部の子供にとっては、それ以前に「カウンセリング(落ち着ける)」が必要となります。
つまり、学習支援には3つの段階があるのです。
カウンセリング、コーチング、ティーチングの3つです。
【1】カウンセリング(落ち着ける)
カウンセリングの目的は、落ち着けることです。リラックスした状態にするということです。
イライラしている状態で学習することはできません。ビクビクしている状態でもできません。
感情優位の状態では、理性が働きにくいからです。
ですから、まずはカウンセリングを行ってリラックス状態を作り上げることが大切となります。
【2】コーチング(引き出す)
リラックス状態を作り上げたとしても、それだけでは学習を始めません。
YOUTUBE動画を観ているときはリラックスしているでしょうが、そのあとに勉強を始めるとは限りません。
そこで重要となるのが、コーチングです。子供の学習意欲を引き出すことと言ってもよいでしょう。
勉強へのモチベーションが湧かない理由は、大きくわけて2つあります。
1つは、適切なゴールが設定されていないこと。
もう1つは、エフィカシー(自己効力感)が足りないこと。
現状維持でもゴール達成が可能ならば、現状維持を続けます。つまり、勉強せずに過ごし続けます。
ゴールがあっても、そのゴール達成できると思っていないなら、諦めます。つまり、勉強せずにYOUTUBEを見続けます。
現状維持では達成できないようなゴールを設定した上で「自分なら達成できる!」と思うように働きかけることで、やる気が出てくるのです。
【3】ティーチング(教える)
リラックスした状態があり、適切なゴールとエフィカシーがある状態になったら、そこで初めてティーチングが役に立ちます。
ティーチングで通常、最も大切なことは、復習をサポートすることです。
「通常」と書いたのは、「点数アップがゴールの場合は」という意味です。
学校でも、塾でも、家庭教師でも、復習は本人に任されるのが通常です。
しかし、私達は復習を避けたがる傾向があります。私達は新しいものを好む傾向があるのです。
ですから、復習の支援をするのが、家庭学習支援では重要となります。
「1つの基本的な問題集を、7~8回転させること」を目標にしてみてください。
問題集を何冊も買う必要はありません。1冊あれば十分です。
難しい問題集も必要ありません。基本的な問題集で足ります。
分厚いものではなく、薄いものを選びましょう。1週間程度で1回転できるのが理想的です。
見た目が固いものより、ポップなものを選びましょう。
そのような問題集を何回転もさせることを目的とするのです。
何回転もさせることを目標としていますから、当然、解答は書き込みしません。ノートなどに書き込むようにしましょう。
初見で正解したものだけに〇を付けていきましょう。間違えても×や△を付ける必要はありません。〇がついていないなら、その問題は解き直す必要があるからです。
そして、問題を解いた日付を書いておきます。
具体的には次のように行っていきます。
薄い問題集を1冊用意し、それを子供にノートなどに解かせます。初見で解けた問題には、問題集の方に〇を付けますが、間違えた問題には何も印をつけません。間違えた問題は説明をして、その場で解き直しをさせます。解き直しで正解しても問題集に〇はつけません。最後にその問題の近くに、実施した日付を書き込みます。そして、次の問題に移ります。これを30分ほど繰り返します。
1日の復習時間は、30分もあれば十分です。それ以上は必要ありません。
翌日以降になったら、〇が付いていない問題を見つけて、それを解き直します。このときも初見で解けたら〇、そうでなかったら印は何もつけません。説明・解説のあと解き直しを行います。最後に実施した日付を書き込みます。
このようにして1冊の問題にすべての〇が付くまで行います。すべてに〇がついたということは、すべて初見で解けたということです。
しかし、これでもまだ不安はあるため、改めてすべての問題に〇が1つ増やせるように練習をしていきます。
これが基本的な学習支援の仕方です。ただ、これは点数を取りたい子供を支援する場合です。
点数アップを望んでいるわけでないなら、子供のゴール達成のために必要なものを調べてあげるとよいでしょう。将来YOUTUBERになりたいというなら、その方法を一緒に調べてあげるのです。
インターネットで検索すれば多くの情報が出てきます。それをプリントアウトして、本人に渡してみましょう。資格取得を目指しているなら、その資格について調べて、プリントアウトしてあげましょう。
ゴールにリアリティを持ちやすくなるように、子供をサポートしてあげるのです。
ゴールにリアリティを持てば持つほど、学問の大切さは自然とわかってきます。教養知識がないと理解できないことだらけだということが分かってくるものなのです。ですから、ゴール達成のサポートをどんどんしてあげればよいです。
【4】まとめ
学習支援には3つの段階があります。カウンセリング→コーチング→ティーチングです。
多くの教師や保護者は、ティーチングから始めようとします。
しかし、実際にはコーチングの部分が重要です。
ゴール設定が不適切、またはエフィカシーが低い状態では、やる気が生まれません。
やる気がない状態では、どれだけ上手に教えても記憶に残らないのです。
ですから、学習支援をするときはまずコーチングから行いましょう。
コーチングがうまく効果を発揮した後に、ティーチングを行うのです。
ティーチングではコーチングで設定したゴール達成を目指します。
点数アップがゴールとなっている場合は、基本となるのは復習です。
点数アップ以外がゴールとなっている場合は、ゴールのリアリティが上がるようにさまざまな情報に触れさせるサポートをすることになります。
今回お伝えした内容を活用していただき、学習支援をスムーズにしていただけたら幸いです。
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