フリースクール『ワクノソト☆』の三國雅洋です。
私は18歳から20年以上に渡って家庭教師や塾講師を続けています。また、私自身も行政書士を始め、各種国家試験に独学で合格し続けています。
今回は集中力を途切れさせずに、勉強をし続ける方法について、理論と経験を踏まえてお話します。
【1】「飽き」は、脳疲労のサイン
『すべての疲労は脳が原因』という本によると、飽きは脳疲労の最初のサインです。
《同じ神経細胞ばかり使っていると、その神経細胞は酸化ストレスにさらされ、「もうこれ以上、この神経細胞を使わないでくれ」という信号を発します。これが、「飽きる」という感情となって表れるのです。
ゆえに、後に詳しく述べますが、「飽きる」、「疲れる」、「眠くなる」は脳疲労の3大サインと言われています。》(上記書籍から引用)
疲労とは、簡単に言えば作業効率の低下現象のことです。
つまり、「飽き」が出てきた時点で、勉強効率は下がっていることになります。
【2】集中することよりも、勉強効率を上げるほうが大切
「集中力を高めたい」という生徒は多いですが、その目的は勉強効率を高めることです。短時間で宿題を終わらせたり、短時間で暗記をしたり、短時間で問題を解いたりするために集中をしたいのです。
そうであるならば、「飽き」が出た時点で、別のことに取り組むのが最も理に適っています。集中力を高める必要はありません。
【3】別のものに集中を切り替える
「飽き」が出てきた時点で、作業効率が下がってきています。「疲れ」を感じたり、「眠気」が出てきたら、作業効率は大幅に下がっています。
このようなときに集中しようとするのは、「作業効率が下がっている」というアラームを無視する愚かな行為です。
「飽き」が出てきた時点で、別の教科に取り掛かるようにしましょう。そうすることで、「疲れ」、「眠気」によって集中が完全に途切れることを防ぐことができます。
【4】ツァイガルニク効果を活かす
「飽き」が出てきた瞬間に辞めることで、「ツァイガルニク効果」を活かすこともできます。
「ツァイガルニク効果」とは、簡単に言えば「中途半端になっているものを、脳は重要視する」というものです。私達は、物事をきりのよいところまでやり遂げたくなる性質があり、そのためきりのよいところでないところで中断すると、脳がそれを重要視するようになります。
「未完了」として脳の片隅に残っているため、再開しやすいのです。
これは脳科学者の中野信子さんも、おすすめの方法として紹介していました。
【5】やる気はやり始めることで、でてくる。
さらに、やる気はやり始めることで出てきます。脳はその作業を始めることで、その作業にあったモードに調整をしていきます。これを作業興奮と言います。
ですから、大切なのはその作業を始めることです。
「飽き」が出てきたとき、中途半端なところで中断をすれば「ツァイガルニク効果」によって、未完了な作業を脳が重要視するようになります。そのため、再開へのモチベーションが自然と生まれます。実際に再開をすれば今度は「作業興奮」によって、作業に適した脳のモードになる=集中するというよい循環が生まれるのです。
ですから、集中力をとぎさせないために大切なことは「飽き」が出てきた時点で、別の勉強をはじめることです。
私は家庭教師の場合は少なくとも3教科を、事前に準備させるようにします。「飽き」が見られたときにすぐに別の教科の指導に取り掛かれるようにするためです。
このように、「飽き」を切り替えのサインとして使うことで、集中力を途切れさせることなく学習を続けることが可能となります。
集中力を高める必要はありません。大切なことは学習効率を高めることであって、集中力を高めることではないのです。
「飽き」という脳疲労のアラームを利用して、高い集中力を維持しながら学習を続けてみてください。
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