学校は「落ちこぼれ」製造システムだ。

フリースクール『ワクノソト☆』の三國雅洋です。

今回は、少しグチです。

【1】足し算の繰り上がりができない中学3年生

中学3年生で、足し算の繰り上がりを間違える生徒が複数います。もちろん、九九も覚えていません。分数の計算は当然のようにできません。少数×少数もできません。この生徒たちが展開、因数分解、平方根の授業を受けています。もちろん、まったく理解できていません。問題も解けません。正負の計算ができないので、文字式の計算も間違えます。

このような生徒が理解できない授業を受けつつ、並行して小学校からの復習・練習をして、さらに高校受験に備えなければなりません。

【2】やる気の前提は「自己効力感」

保護者の方は簡単に「やる気スイッチを入れてほしい」と言いますが、人間のやる気はそう簡単に出るものではありません。やる気の前提には「自己効力感」があります。自己効力感は成功体験、代理体験、言語的説得などから培われますが、そもそもいわゆる「落ちこぼれ」とされる生徒たちは、ずっと失敗体験を積み重ねてきたのです。授業を受けても全く意味が分からないという状態を、小学生から続けてきています。学業に関する自己効力感がほぼゼロに近い状態になっています。

【3】「落ちこぼれ」を作るのは学校

「学校へ行かずに、教科書とYOUTUBE動画を使って、小学校範囲から勉強してくれればよいのに」と本気で思います。実際、学校の授業は本人の成長にとっては何も意味をなしていません。学校に行くことによって時間が大幅に無駄になりますし、自己効力感も削られます。

私は家庭教師や塾講師の仕事を通して、このような生徒でも志望校に合格させてきました。ただ、20年以上同じようなことを繰り返してきて、もう疲れました。

現在の学校システムは、ある意味「落ちこぼれ」製造システムです。教師の方々がどれだけ努力しても、現在の強制スクロールシステムを取るかぎり「落ちこぼれ」と言われる生徒が生まれてしまいます。教師が悪いのではなく、生徒が悪いのでもありません。システムが悪いのです。

【4】「成果」ではなく「成長」に意識を向ける

教育者にとった一番大切なのは、生徒の成長です。しかし、現在のシステムは生徒の「成長」ではなくて、「成果」に焦点を当ててています。

生徒の成長に焦点を当てたなら、強制スクロールで進む授業はなくなるでしょう。足し算の繰り上がりが怪しいなら、そこまで戻ることを教師が奨励するようになるでしょう。反対に、平方根を理解した生徒には二次方程式、二次関数の指導に入るかもしれません。生徒の成長のために、目標と自己効力感を高める働きかけを行うようになるはずです。

生徒の成長に焦点を当てたなら、定期テストもなくなるに違いありません。定期テストではなく、テスト効果を最大限に活かすために総合的な小テストを普段から行うようになるはずです。

学校は教育機関であるにも関わらず「就職」という「成果」に焦点を当てすぎています。教育が本来やるべきことは、成長の支援です。成長の支援ができない教育機関に、意味があるのでしょうか。

【5】「成果」は「成長」から生まれる

生徒に成果を求めても、成果が出るものではありません。正負の計算ができない生徒に、展開公式を教えても、ほぼ徒労に終わります。

しかし、生徒が成長し続けていれば、いつかは成果が出ます。正負の計算を身につければ、展開も理解できる可能性が高まります。

たしかに社会が求めるのは成果です。しかし、だからといって学校が生徒に成果を求める必要があるのでしょうか。社会に出て「役に立たない」ということを教えている学校で、成果を出すことが、社会での成果に何か役立つのでしょうか。

社会も、学校も、子どもに成果を求めているなら、なおさら教育者である私たちが、成長に焦点を当ててあげる必要があるはずです。

そもそも教育の楽しみというのは、相手方の成長を見ることですよね。成長の支援を中心に置いた教育システムが組みあがったら、きっと日本中の教師がもっと幸せになれると思います。

ワクノソト☆(フリースクール) 福井県敦賀市

学校教育の枠(ワク)の外に出よう!福井県敦賀市にあるフリースクール『ワクノソト☆』のホームページです。

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