ワクノソトの三國雅洋です。
福井県で、悲しい出来事が起きました。
《中2が自殺、「教師の指導や叱責でストレス」 福井》
www.asahi.com/articles/ASKBH73FFKBHPTIL010.html
昨日の記事で”人格否定は行動の改善にはつながらない”と書きました。「私はダメ人間だ」と思わせても、その人の行動は何も変わらないのです。
では、人格否定は何につながるかと言えば、自己肯定感の低下です。
ワクノソトでは自己肯定感(セルフ・エスティーム)を大切にしています。大切にするというのは、「自己肯定感を下げるのは指導ではない」と考えるということです。
私たちワクノソトのゴールの1つは、健全な自己肯定感を持った子供たちを育てることです。そのゴールに逆行することを、指導と呼ぶことはできません。
指導は、自己肯定感(セルフ・エスティーム)または、自己効力感(セルフ・エフィカシー)を高めるものであるべきです。「自分はダメだ」、「自分にはできない」と思わせたら、それは指導ではありません。指導は、相手の自己概念(セルフイメージ)を高めるものであるべきです。
そのための具体的な方法論が、「あなたらしい」と「あなたらしくない」です。日常では「さすがだね」と「珍しいね」のほうが使いやすいかもしれません。相手が何かうまく行ったときは「さすがだね」と言うのです。そして、うまく行っていないときは「珍しいね」と伝えます。「さすがだね」と「珍しいね」はどちらも、相手を高く評価する言葉です。うまく行っても行かなくても、相手の自己概念を高める働きかけは可能です。
私は18歳から家庭教師を始め、19年間に渡って子どもの教育に携わってきました。最初の方は怒ったり怒鳴ったりもしたことはあるのですが、今では絶対にしません。その理由は単純で”意味がないから”です。それをしても相手の行動は何も変わりません。ですから、相手の自己肯定感を下げるのは、指導にならないのです。
昨日の記事では、ワクノソトの行うことはただの経験談ではないと書きました。しかし、単なる理論でもありません。1対1の指導を数百人、1対多の指導も数百人してきた経験にも基づいています。
子どもの自己肯定感を下げてはいけません。少なくともそれを指導とは呼んではいけません。悲しい出来事をなくすためにも、”相手の自己肯定感を下げる行為は指導とは呼ばない”という風潮が生まれてほしいなと思っています。
もし、この記事を読んで”自分の指導は間違っていた”と思っても、”自分はダメな親だ”とは思わないでくださいね。”私らしくなかった”と考えて、これからを一緒に変えていきましょう。
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