オルタナティブ・スクール ワクノソトの三國雅洋です。
私は家庭教師を19年間、行ってきました。
もちろん指導の中心は、教科の内容です。
ですが、私が指導中に最も意識して伝えたのは”学び方”です。
小学生でも、中学生でも、高校生でも共通して言う言葉があります。
それが「どうやって勉強したらよいかが分からない」です。
これが学校教育の問題点の1つです。
「学び方」を教えることができていないのです。
学校の先生で、「学び方」を勉強している人は数パーセントもいません。
学校から出される宿題を見れば、それは明らかです。
たとえば、「漢字の書き取り」です。”漢字を10回ずつ書く”という宿題を出す先生がいますが、これは人間の脳の仕組みからして、あまりにも非効率的なのです。
人間の脳は、そもそもが手抜き器官です。覚える必要のないことは覚えません。
1つ実験をしましょう。あなたが毎日通る道を、1つ思い出してみてください。通勤経路でもよいですし、よくいくお店までの道でも結構です。では、そこに行くまでに曲り道は何個あるでしょうか?小さい曲り道も含めて、すべて思い出してみてください。
大きな曲り道なら覚えているでしょうが、小さいものを含めるとあやふやになるでしょう。なぜなら、それは覚える必要がないからです。
その道を何百回と通っていても同じです。覚える必要のないことを、脳は覚えません。「山」という漢字を見ながら「山」と書くときに、覚える必要性はゼロです。ですから、このような宿題は、無意味なのです。
教科指導の専門家が、なぜこのような宿題を出すのでしょうか?それは、先生方が学び方を学んでいないからです。
教育というには学習支援です。学ぶことを支援することです。ですから、当然、人がどうやって学ぶのかを知らなければできない仕事のはずです。「脳と心」についての知識がなければ、できない仕事なのです。
「生きる力」の根底にあるのは、学ぶ力です。知識は当然に大切ですが、知識があるからといって「生きる力」が付くわけではありません。ですから、この点でもやはり学校だけでは足りない時代になっているのです。
本音を言えば、学校が認知心理学、脳科学などの知見に基づいた学び方を教えてくれれば、私たちとしてもそれでいいのです。ですが、現状としてはそうなっていません。
私は家庭教師をずっとしてきましたし、その間に3個以上の難関国家試験にも合格してきました。自分も学び方を学び、そしてそれを伝え続けてきました。その結果、高校志望校合格率は100%です。
科学的根拠のある学び方を学べば、これぐらいのことは誰でもできるようになります。10年先が全く読めない時代ですから、学び方を学ぶことの大切さはご理解いただけると思います。
しっかりと学び続けている人でないと、学び方を教えることはできません。「学び方」を知っている人、そしてそれを「教える」ことができる人のもとに、どうかお子様を通わせてあげてください。その経験は、子供にとって貴重な経験となるだけでなく、大切な資産となって将来の子どもにも好影響を与えてくれるはずです。
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