オルタナティブ・スクール『ワクノソト』の三國雅洋です。
今、「夏目友人帳」というアニメを観ています。このアニメが好きだと、ある生徒が言ったためです。1つ1つの物語が切なく、温かいアニメです。面白いです。
他にも「デビルサバイバー2」というアニメを見たり、デュエルマスターズというカードゲームを勉強したり、人狼ゲームをやったり、ラップを聞いたりしています。
子供たちが観ているアニメや音楽や動画を観て、子供たちがしている遊びをするようにしています。
子供たちが観ている世界を共有したいからです。
心が通いあう状態のことを心理学ではラポールと言いますが、このラポールは現実(リアリティ)の共有から生まれます。
簡単に言えば、同じものを観て、同じものを聴いて、同じものを感じる同士で、心が通い合うのです。
「夏目友人帳」の主人公は生まれつき妖怪を観ることができるのですが、そのために孤独を感じています。「SIX SENCE」の主人公と同じように気味悪がられるのです。しかし、妖怪をしっかりと観ることはできなくても、存在を感じることができる転校生が来て、心を通わせていきます。
同じ現実を共有するというのは、心を通わせることなのです。
「一人一人に合わせた指導」という言葉は、簡単です。ですが、それをするためには、それぞれの生徒の観ている現実世界を、知る努力が必要となります。その子供が好きな動画、アニメ、ゲームなどを知ることがその努力です。学校教育ではこれは物理的に不可能だと思います。
私は家庭教師をするときは、できるだけこのような努力をしてきました。だからこそ、分かりやすく教えることができ、その結果が19年間で志望校合格率が100%なのです。
私たち『ワクノソト』は、そもそもが学校教育の枠の外です。ですから、これまで以上にこのような努力が大切だと思っています。
周囲に人がどれだけいても、現実世界を共有していなければ孤独を感じるのが人間です。
せめて『ワクノソト』に来ているときは、そういった孤独を感じずに、安心して話せて貰えたらと思っています。
0コメント