教師が、不登校の原因の場合の対処法

「教師が子どもをいじめたことが原因で、子供が不登校になった。」

「子供が嫌がらせを受けていたあと、教師の対応が悪くて不登校になった。」

このような話しは、稀(まれ)なことではありません。

今回は、教師が原因で子供が不登校になった場合の対処法についてお伝えします。

さらに、子供が抱えている心の傷を少しでも早く癒すサポートの方法についても、お伝えします。

私はフリースクール『ワクノソト☆』の運営者の1人ですが、行政書士・コーチとしてパワハラ問題解決にも取り組む専門家でもあります。また、私自身も中学生時代に嫌がらせを受け続けた経験があります。

いじめ・嫌がらせ問題の専門家として、現実的な対処法をお伝えしますのでぜひご覧ください。

【1】教師が、不登校の原因の場合の対処法

(1)教師が子供にいじめ・嫌がらせをする場合の対処法

教師が不登校の原因ということは、よくあります。

教師がいじめ・嫌がらせをする場合、いじめ・嫌がらせへの教師の対応が不適当であった場合などです。1つ目は教師が作為による不登校の場合、もう1つは不作為による不登校の場合と言えます。

このうち教師がいじめ・嫌がらせをする場合には、早急に対応をする必要があります。

この場合にやるべきことは2つです。

「証拠を増やすこと」と「味方を増やすこと」です。

いじめ・嫌がらせ問題の解決には、必ず証拠が必要です。口頭で「いじめ・嫌がらせがあった」と主張しても、その被害の深刻さを信じてもらえないからです。

「宿題を忘れたら、教師に頭を三角定規で叩かれた」と主張しても、周囲の人は子供側にも原因があったのだろうと思うだけです。しかし、次のような被害メモがあれば、受ける印象は違います。「2018年12月21日 午前10:10ごろ 〇〇(子供)が〇〇先生に『宿題を忘れてしまいました。ごめんなさい。』と申し出たところ、『なんでもっと早く言わないのですか?社会に出たら期日までに仕事を終えなければいけないんですよ。あなたはまだ自分を子供と思っているのでしょうが・・・』と20分間ほど話し続けたあと、『これは罰です。」と言って三角定規の辺の部分で、子供の頭部を叩いた。」

教師は教師という立場があるため信頼されやすく、子供はまだ発達の途中であるため信頼をされにくいのです。そのため、教師側が原因であることを示すための証拠が「膨大」に必要となります。証拠の量は多ければ多いほどよいです。

録音・録画ができるのが理想的です。しかし、実際にはそのようなことは難しいはずです。

ですから、まずは被害メモを取りましょう。ビデオで再現するかのように詳細に、リアルに、被害事実をメモするのです。

さらに、過去の被害事実などもできる限り詳細に思い出して、メモしましょう。実際に書いてみると分かりますが、思い出して書くとどうしてもリアリティが薄くなります。ですから、被害に遭った当日に書くのが一番です。

次に、その証拠を持って、教頭、校長等に相談に行きます。必ず証拠を持って相談に行くようにしてください。学校側としては、教師による生徒へのいじめなど認めるわけにはいかないのです。ですから、認めざるを得ないようにしなければなりません。そのためには証拠が必要です。

認めざるを得ないようになれば、学校側としては穏便に済ましたいというように動きます。つまり、教師への注意を行うようになります。

同時に、その証拠を持って味方となってくれそうな人にアプローチを行いましょう。法律家などに相談をしてみるのもよいでしょう。

味方が増えれば増えるほど、取り得る選択肢は増えていきます。

法律家のバックアップを得ることができることができれば、法的手段も選択肢に入れることができるようになります。市議会議員と繋がりが持てるようになると、そこから学校や教育委員会に対して要求を出すこともできます。

(2)教師の対応が不適当で、子供が不登校になった場合の対処法

教師の対応が不適当で、子供が不登校になった場合も、上記と同様に動きましょう。

つまり、次の2つを行うのです。

1 過去のいじめ・嫌がらせの被害内容を書き出すこと

2 現在行われているいじめ・嫌がらせの被害を、書き出すこと

3 教頭・校長に相談をすること

特に教頭・校長に相談するべきことは、今後の学校としての対応についてです。

学業面での不利益に対して、学校はどのように対応するのかについて、相談をしましょう。教師が生徒側の自宅に行って指導をする学校も出てきています。インターネットの学習サービスを取り入れている学校もあります。

さらに、どのようにすれば出席として認められるのかについても、相談をしておきましょう。学校側としても、不登校としてカウントされないように出席を認める要件を出してくることがあります。学校の門に触ったら出席として認めるという場合もあります。

【2】子供の心の傷を癒すサポートをする

(1)子供の世界を共有する

学校に対応を求める一方で、子供の心の傷を癒すサポートも行いましょう。

基本的には専門職に任せることですが、保護者としてもやっておいたほうがよいことがあります。

それは、子供の認識している世界を共有することです。

子供の「望み・関心・目的」を把握するように努めてほしいのです。どのようなことを望み、どのようなことに関心を持ち、どのような目的を持っているのかを把握するように努めてください。

私は家庭教師や塾講師も行っていますが、生徒のこれらは必ず把握するように努めます。「夏目友人帳が好き」と聞いたら、それを見るようにします。そのようにして、その生徒が認識している世界を共有するようにするのです。

『ワクノソト☆』に来られる保護者の方々は、子供から信頼されていることが多いです。そして、その保護者の方々は、子供の「望み・関心・目的」についてよくご存知です。

子供が観ている世界を観ようとしているから、子供から信頼をされます。

そして、信頼関係があるから心の傷を癒されるのです。

(2)子供の自信を高める

子供の心の傷を癒すのと同時に、子供の自信を高める働きかけも行いましょう。

子供に「さすが!」と「もっとできる」の2つを言い続けるだけです。

子供が、少しでもゴールに近づいているなら「さすがだね」と伝えましょう。

「子どもを褒めてばかりいるのは、甘やかしなのではないですか」と思っている保護者の方も多いのですが、それは違います。それは「褒める」だけで終わっているからです。

「褒める」だけで終わるのではなくて、子供に「あなたならもっとできる」と伝えることをしないと、「甘やかし」になります。期待値を低く設定しすぎることが「甘やかし」の本質です。

しかし、基本的には「さすが」と言い続けることだけで十分です。どうしても子供にもっと動いてほしいときは「あなたならもっとできると思っている」と伝えましょう。

【3】まとめ

教師が、不登校の原因ということは、よくあることです。

この場合は、まず証拠と味方を増やすことが重要となります。

特に大切なのが、証拠を増やすことです。証拠がなければ、味方を作ることさえできません。

証拠を作るために行うことは2つです。

1つは「過去のいじめ・嫌がらせなどの事実を書き出すこと」です。

もう1つは「現在行われているいじめ・嫌がらせの事実などを書き出すこと」です。

録音・録画があれば理想的ですが、まずは被害内容を文字にすることからはじめましょう。

文字にするときのポイントは、「ビデオで再現するかのように書くこと」です。客観的に、かつ、詳細に書いてください。その状況が映像として浮かぶかのように、具体的に書くのです。

そのようにして証拠を作ったら、学校側に働きかけを行います。教頭や校長など、責任者に対して相談を行うようにしてください。

同時に味方を作ることも始めます。法律家や市議会議員などに相談してみるのも1つの手です。

さらに、子供の心の傷を癒すことも行いましょう。

原則としては専門職に任せるべきですが、保護者としてはまず子供と同じ視点で物事が観れるようになることを目指しましょう。子供の視点で物事が観れるようになればなるほど、信頼関係は高まっていきます。そして、その信頼関係(ラポール状態)が心を癒してくれます。

信頼が高まり、心の傷がいやされてきているなら、自信を高める働きかけを行います。「さすが」と「もっと」の2語があればできることです。「あなたは素晴らしい」と「あなたはさらに素晴らしくなれる」という言葉をかけ続けるのです。

いじめ・嫌がらせ問題は、簡単には解決はできません。しかし、解決が不可能なものでもありません。状況を少しずつ改善することによって、解決することができるものなのです。

教師が原因であっても、改善することはできます。

ですから、諦めずに行動を起こしていただけたらと思います。


カラフル ~ふ登校カフェ~(親の会) &ワクノソト☆ 福井県敦賀市

福井県敦賀市で活動する不登校の親の会(誰でも参加できるお話会など開催)&学校教育の枠(ワク)の外に出てみよう!福井県敦賀市にあるフリースクール『ワクノソト☆』のホームページです。ワクノソトは休校中です。

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