不登校生徒のための独学勉強法。学校に行くよりも、独学できるようになるほうが大事。

福井県敦賀市のフリースクール『ワクノソト☆』の三國雅洋です。

学校に行かなくなるようになると、学業成績について気になってしまいますね。

学業成績は進路に関わってきますから、気になるのは当然です。

しかし、学校に行くことによって学業成績が下がる生徒もいます。

私は18歳から20年以上に渡って、家庭教師や塾講師を行ってきました。中学3年生の受験直前の1月になって、英単語の「I」を「あなた」と訳し、「You」を「わたし」と訳す生徒を実際に知っています。同じく中学3年生で8-3=5とする生徒を実際に知っています。学校に行っているかどうかが大事なのではありません。

自分で勉強ができるかどうか、つまり独学ができるかどうかが大事なんです。

学業成績を上げたいなら、学校にいくよりも大切なことがあるんです。

学校に行かずに独学する方法についても書きますので、きっとあなたのお役に立つと思います。


目次

【1】学校に行くよりも、独学できるようになるほうが大事

【2】好きなことをするのが、独学の第一歩

【3】ほとんどの人は、独学ができない

【4】自分で自分のための勉強しよう

【5】好きなことを、好きな方法で学ぶ

【6】自由は決して楽ではない。

【7】家庭学習チェックリストを使う。

【8】勉強計画は立てなくていい。

【9】家庭学習の3つのポイント

【10】ウォーミングアップから始めよう

【10】「課題把握」を行おう

【11】「課題克服」には2つのモードがある

【12】暗記をするときのコツ

【13】独学は難しくはない


【1】学校に行くよりも、独学できるようになるほうが大事

学校に行くことで、学業成績が上がるとは限りません。

学校に行くだけで学業成績があがるなら、塾や家庭教師は必要ありませんね。

授業を真面目に受けても、宿題や提出物を真面目に提出しても、学業成績が上がるとは限りません。

四則計算ができない状態で、方程式を学んでも解けるようにはなりません。「Good morning」の意味が分からない状態で「I have to study hard to pass the next exam.」という文章を説明されても意味が分かるはずがありません。

自分のために、自分で学習することができなければ、学業成績が上がるはずがないんです。

つまり、最終的には独学ができなければ、学業成績は上げられません。


【2】好きなことをするのが、独学の第一歩

私が本格的に独学を始めたのは、中学2年生のころです。

靴が隠されたり、机がひっくり返っていたり、石を投げられたりしていたときに、犯罪心理学と刑法について学び始めました。勝木書店でゴマブックスなどの本を買って、読んでいました。

高校生になると、損害保険代理店の試験勉強をしました。その当時、日本最年少で特級を取得しているはずです。

その後も司法試験、司法書士試験、行政書士試験、海事代理士試験、初級システムアドミニストレータ、日商簿記2級などさまざまな試験を受けてきましたが、すべて独学です。司法試験と司法書士試験は合格していませんが、その他はすべて独学で6ヶ月程度の勉強で1回で合格しています。

このような結果を出せる理由は簡単で、好きなことだからです。学校によって強制されたものではなく、自分で自分のために勉強しているからです。

資格学校に通うことのメリットは、もちろんあるとは思います。

しかし、ちゃんと独学ができれば、ほとんどの試験は合格できます。

受験勉強も同じです。学校に行かなくても、塾に行かなくても、独学ができれば合格できます。

なぜなら、ほとんどの人は勉強していないからです。


【3】ほとんどの人は、独学ができない

塾や家庭教師で生徒指導をしていますが、ほとんどの生徒は家庭学習をしていません。家庭学習をしていても、科学的に効果的とされる勉強方法をしている生徒は一人もいません。

まず宿題が多すぎて、自分のための勉強をする時間がないという理由はあります。

しかし、時間があっても勉強はできないでしょう。

なぜなら、自分で自分のために勉強をするということをしていないからです。

自分で学習用の本を買ったり、Youtubeを観たり、DVDを買ったりしていない。自分が好きなことでもあっても、深く潜るということをしていない。自分で目標を立てて、課題を見つけて、それを乗り越えるという練習をしていません。

独学をしていないと、自分で自分の頭の中に、知識体系を作るということができない。

頭の中に整合性ある世界を作る訓練ができていないんです。

現在は、独学のための教材はインターネット上にたくさんあります。いくらでも独学ができる時代なんです。

最もおすすめするのは、Youtubeで視聴できる「とある男が授業してみた」という名前のチャンネルです。このチャンネルは、家庭教師先や塾講師先の生徒にもおすすめしています。

【4】自分で自分のための勉強しよう

学校に行っていないというのは、実はとてもチャンスでもあります。

自分で自分の頭の中に、整合性のある世界を作る訓練が自由にできるからです。

自分が好きなこと、興味があることに直接的に向かっていけるからです。

自分が好きなことに深く潜ることができるということです。

それはつまり、自分で自分のために勉強ができるということです。

頭を動かすのには、大変なエネルギーが必要です。だからこそ、私達は頭を使わない方法で乗り切ろうとしてしまいます。

好きなことだからこそ、頭を使えるんです。膨大なエネルギーを使ってでも、考えることをしようとするんです。


【5】好きなことを、好きな方法で学ぶ

せっかく自分が好きなことを学ぶのですから、自分に合った方法で学びましょう。

全ての学問は、書籍を読むことが必須となります。ですから、最終的には教科書を読めるようになる必要があります。

しかし、最初から教科書に取り組む必要はありません。

学習には「導入期」「専門期」「発展期」の3つの段階があります。(『300人の達人研究からわかった 上達の原則』 北村 勝朗 参照)教科書は「専門期」で使う専門書の1つです。最初から専門書に手を出す必要はありません。

最初は導入期のための書籍、つまり導入書・入門書を読みましょう。

導入期の目的は「快体験」を積むことです。自分が読んで楽しいテキストを用意しましょう。専門知識を得ることは後回しにします。その学問の楽しさが分かるものを選びましょう。数学の独学に取り組むなら、数学の楽しさが分かるようなテキストを取り組むのです。YouTube動画を探しても結構です。楽しんで身に付けた知識が、その後の専門書を読むときの土台となります。マンガを読むのもおすすめです。『ドラゴン桜』というマンガは、勉強法について書かれたマンガですが、今でも十分に通用することが書かれています。算数や数学に興味を持ちたいなら『数学ゴールデン』というマンガもおすすめです。

テキストは、動画、マンガ、書籍の順番で進むのがよいと思います。あなたが最も取り組みやすいテキストから始めればよいんです。

資格試験から始めるのもよいですね。資格試験は目標設定にも役立つので、家庭教師や塾でもおすすめしています。私が家庭教師や塾で進めるのは英検が中心ですが、「算数・数学 思考力検定」というものの問題集は、指導でよく使います。問題が興味深いので生徒も取り掛かりやすいんです。

また、資格試験に取り組むときは「合格できる!」と思える級・段から取り組むようにしてください。やはり資格試験は合格したほうが楽しいですからね。

私は今、マインクラフトを毎日1時間しています。このマインクラフトから学ぶことは、実は多いんです。マインクラフトではさまざまなアイテムが出てきますから、これに出てくるアイテムの現実世界での役割を調べるだけでも、かなりの勉強になります。たとえばコンポスターについて、私はマイクラを通して初めて知りました。

【6】自由は決して楽ではない。

マイクラをやっていると分かるのですが、自由は決して楽ではないですよね。マイクラは、とても自由度の高いゲームです。世界を探検してもいいし、建築をしてもいい。エンダードラゴンを倒していいし、回路を組むことを楽しんでもいい。いろいろなことができる。だから、自分で何をするかを決めなくてはいけない。これが厳しいんです。強制させるほうが、つまらないけれども、頭を使わなくてもよいから楽なんです。

ですから、学校に行けば行くほど、頭を使わなくなります。

一斉授業というスタイル、年間行事という儀式、校則という名前の拘束、どれも考えることから遠ざかるものばかりです。

一方で自由というのは、厳しいものです。考えることを強制させられます。

学校に行かないことで何をしてもよいからこそ、自分で考えなくてはならなくなります。

自由を手に入れたら、楽になるとは限りません。むしろ、頭を使わなければならないために、苦しいこともたくさん出てきます。

『益子直美が語る「バレーボール界の暴力」の現実』という記事の中で、益子さんは《だから、さっき加奈ちゃんが「怒ってもらったほうが楽」って言ったとき、私、本当はラクしてたんだなって。たたかれたり、怒鳴られたりするのは嫌だったけど、一方で自分で考えることしないまま、ここまで大人になっちゃったんだなあって思った。》とおっしゃっています。強制というのは実は楽なことも多い。そのまま大人になってしまう人も多い。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a0aa3daa1d17585517df949bb115af8e871a8df8


自由は決して楽ではありません。学校に行っていない人なら、それは身に染みてわかっているはずです。

でも、その自由の苦しさがあるからこそ、頭は回転し続けるんです。

逆接的に、それが学業成績につながります。

頭を使い続けていれば、学校の勉強は簡単にできるようになります。学校で学ぶ勉強内容というのは、本当にシンプルなことばかりです。ただ、覚えることが多いだけです。難しいことは1つもありません

学校の勉強をしたいならすればいいし、したくないなら興味があることを突き詰めてみてください。大切なことは頭を回転させ続けることです。それができるなら、何をしていてもいいんです。

あなたが好きなことを突き詰めることは、決して無駄にはなりません。それどころか、大きなアドバンテージ(利点)となります。

学校に行くことよりも、頭を使い続けることのほうが大事です。

不登校だからこそ磨ける能力もあるんです。それが自分の頭の使い方です。

学校に行かない時間を使って、あなたの頭をどんどん使ってください。

それはきっと、学業面でもあなたのことを助けてくれるようになります。

【7】家庭学習チェックリストを使う。

家庭学習をするときは、次のチェックリストを使ってみてください。これは私が家庭教師や塾講師をする時に、生徒に渡しているものです。

下のリンクから閲覧とダウンロードができます。(内容は不定期に更新しています。)

https://docs.google.com/document/d/1wdloz_1gGfaqFo20QmnDX5XvZvMAlLUUgAevzkLBDfo/edit?usp=sharing

【8】勉強計画は立てなくていい。

基本的に、勉強計画を立てる必要はありません。

理由は2つあります。1つは、毎日15分程度でもよいので、全科目を勉強するのが一番よいからです。1週間に1回1時間の勉強をするよりも、毎日10分の勉強を6日間するほうが効果的なのです。これは「分散効果」と呼ばれるもので、つまり、上達したいなら毎日するのが当たり前ということです。これは学習科学では常識のようなものです。サッカーでも、柔道でも、ピアノでも、1週間に1回だけ練習しても上手にはなりませんよね。毎日、コツコツ勉強に取り掛かることが大切なんです。

2つ目の理由は、そもそも計画を立てられることがおかしいからです。次にも書きますが、勉強は「課題把握」をして「課題克服」を行います。自分のやるべきことを確認して、そこからやるべきことをやっていくわけです。課題把握ができていない状態で、計画が立てられるはずがありません。

ですから、勉強計画を立てる必要はありません。

大切なことは、全ての教科について少しでもよいから勉強する時間を取ることです。

【9】家庭学習の4つのポイント

家庭学習には4つのポイントがあります。

1 ウォーミングアップから始めること。

2「課題把握」をしてから「課題克服」を行うこと。

3「自己テスト」を中心に学習を行うこと。

4「自信をつける学習」と「実力をつける学習」を分けること。

この4つのポイントを押さえるだけで、科学的に効果的な家庭学習をすることができます。

【10】ウォーミングアップから始めよう

やる気はやり始めることで出てきます。これは脳科学で「作業興奮」と呼ばれるものです。

ですから、科学的にはやる気が出るのを待つのではなく、とりあえず勉強を始めることが正解となります。

とりあえず勉強を始めることが大切なのですから、「やり始めやすいもの」からするのがおすすめです。

私は、塾や家庭教師で指導する場合、自己肯定感を高めることも目的として、簡単な問題を解くことから始めています。長くても10分程度で解くことができるような簡単なプリントをしてもらうのです。そうすることで自己肯定感を高めながら、やる気を引き出すことができます。また、簡単に正解できるものを解くことで「処理の流暢性の誤帰属」理論というものに基づけば、勉強が好きになる可能性もあります。

身体を使う前にはウォーミングアップをするのが常識ですが、これは頭を使うためのウォーミングアップと言えます。


【11】「課題把握」を行おう

家庭学習では「課題把握」と「課題克服」を行っていきます。課題把握とは、「できること」と「できないこと」を整理することです。

これらを明確にするために、総合問題を解きましょう。受験勉強をしているなら、過去問題に取り組むとよいですね。過去問題が難しい過ぎる場合は、予想問題でも構いません。定期テスト対策をするのであれば、テスト範囲のまとめ問題、章末問題などを解きます。資格試験対策をするなら、その過去問題などに取り組みましょう。算数・数学検定、漢字検定など検定問題もよいです。私は家庭教師や塾では検定問題をほぼ毎週解いてもらっています。

大切なことは、自分で自分をテストすることです。「自己テスト」と呼ばれる学習技術の1つです。自分の頭を使わずにできることは、学習にとっては非効率的だということを忘れないでくださいね。

この段階での目的は「できること」と「できないこと」を仕分けすることです。そのため、10秒以上手が止まるようなことがあれば、飛ばしましょう。そのような問題は「できないこと」に分類しておきます。自信がある問題だけを、スピーディーに解いていきましょう。

このように自分の課題を把握するためのテストを、ダイナミック・テストと言い、科学的に効果的な学習法の1つです。

《スタンバーグとグリゴレンコは、静的なテストから「ダイナミック・テスト」への転換を提唱した-各人の習熟度を見極め、苦手分野の学習を強化し、フォローアップのテストで改善状況を確かめて集中分野を調整し、さらに習熟度を高めていくのだ。》


《ステップ1-実体験か、筆記試験で、知識や技術の足りない部分を知る。
 ステップ2-省察、間隔練習、その他の効果的な学習法で集中的に能力を高める。

 ステップ3ーまた自分でテストし、何がうまくなったか、そしてとくに、何の練習が足りないかに注意を払う。



『使える脳の鍛え方』

ピーター・ブラウン (著), ヘンリー・ローディガー (著), マーク・マクダニエル (著), 依田卓巳 (翻訳) 

なお、この段階の目的は「できること」と「できないこと」を明確に分けることですから、〇付けも全問題を解き終えてから行います。途中で答え合わせをすると、答え合わせで得た情報によって、問題が解けてしまうことがあるからです。解けない問題は飛ばしながら解き進め、全問解いてから、答え合わせをしましょう。

この課題把握は1週間に1回程度は行いましょう。そして、ここで把握した課題を1週間かかけて克服するつもりで取り組みます。「できないこと」を「できること」にするんです。

【12】「課題克服」には2つのモードがある

「課題克服」には2つの学習モードがあります。

1つは「自信をつける」ためのモード、もう1つは「実力をつける」ためのモードです。この2つでは、やることが大きく異なります。

自信をつけることと、実力をつけることは違います。自信があっても実力が伴わないこともありますし、実力があっても自信がない場合もあります。自信と実力は相関しますが、どちらも高めておくことが大切です。

まずは「自信をつける学習」を行いましょう。そして、自信がついたら次に「実力をつける学習」に取り組みましょう。

「自信をつける」学習では、ブロック学習を行います。1つの分野について、断続的に学習をします。分数の割り算について自信をつけたいなら、分数の割り算について15分なり30分なり、ずっと練習などを行います。英単語を覚えたいなら、何度も書いてみたりするのもよいでしょう。歴史を覚えたいなら、一定範囲の問題を繰り返し解きましょう。「覚えている」「わかる」「できる」ことを繰り返しましょう。私も「mikan」というアプリで英単語を覚えていますが「完璧に覚えた単語」から復習することにしています。こうすることで「できる」という自信が付き、苦手意識が薄まっていきます。「できる」という感覚のことを、心理学では自己効力感と呼びます。この自己効力感を高める最も確実な方法が「達成体験」を積むことで、つまりは実際にできた経験を積むことです。「覚えている」「わかる」「できる」を何度も経験することで、自信が高まっていくのです。

ちなみに、スラスラできるようになると、人はそれを好きになる傾向があります。得意だから好きになるのですね。これは心理学で「処理の流暢性の誤帰属」または「知覚的流動性の誤帰属」と呼ばれる現象です。ですからその苦手意識を取り除きたいときは、反復練習をするとよいでしょう。

しかし、ブロック学習で得た知識・技術は、すぐに失われていきます。またブロック学習でで身につけた知識・技術では実践で役立たないことが多いのです。

知識・技術を定着させ、実力をつけるための学習が「インターリーブ学習」と呼ばれるものです。

この差し込む行為を認知心理学の世界では、「インターリーブ」と呼ぶ。その意味は単純に、学習中に関連性はあるが違う何かを混ぜるという意味だ。音楽教師の間では昔からこのテクニックが好まれていて、1コマの授業のなかで、スケール練習、音楽理論の勉強、曲の練習を代わる代わる行うス。スポーツのコーチやトレーナーも同じく、持久力を鍛えるエクササイズと筋力アップのエクササイズを交互に行い、筋肉に一定の回復期間を必ず与える。
インターリーブについて、明らかになったことをまとめよう。複数の項目、スキル、理念を混ぜた練習(勉強)をある程度の期間行うと、個々の項目、スキル、理念の違いがわかるようになるだけでなく、個々の特徴をより鮮明に掴めるようになる。
テストが寄せ集めならば、宿題も同じにすればいい。寄せ集めの勉強は、単に種類の異なる問題を解くだけではない。問題の種類を混ぜて勉強すると、問題の種類を特定すると同時に、それに適した解法を見つけないといけなくなる。開けないといけない鍵を判別するだけでなく、それぞれの鍵穴に合う鍵を見つけることになるのだ。
『脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!』
ベネディクト・キャリー (著), 花塚 恵 (翻訳)

インターリーブ学習では、複数の項目、スキル、理念を混ぜた学習を行います。例えば分数の足し算・引き算の勉強をしたら、分数の掛け算・割り算の勉強も行います。こうすることで、分数の足し算・引き算と、掛け算・割り算の違いを理解しやすくなるのです。英語を勉強するときは、単語の暗記、音読、文法、長文読解、英作文など、さまざまな学習を行うようにするとよいでしょう。こうすることで単語の文章内での使用法や、長文読解における文法の重要性、英作文における単語・文法の重要性が理解しやすくなります。算数や数学を勉強しているなら、教科書の章末問題や問題集のまとめ問題などを解きましょう。

もちろん一度ですべての知識・技術を身につけることは難しいので、定期的に復習を行うことは大切です。ただ、その復習を行うときも、複数の項目・スキル・理念を混ぜた学習を行うようにしましょう。

理想は、インターリーブ学習をするときに、復習も同時にすることです。たとえば分数の計算練習をするときに、少数の計算練習もするようにしてみましょう。英語のUnit5の勉強をするときは、Unit4の復習もするようにするのです。このように関連性のあることも同時に学ぶことで自然とインターリーブ学習となります。

このように「課題克服」のための学習には、2つの学習モードがあります。1つは集中学習を行う「自信をつけるためのモード」と、分散学習を行う「知識・技術を定着させるためのモード」です。

この2つのモードのどちらにおいても、問題を解いたらすぐに正解を確認しましょう。

問題を解いたら、正解と解説をすぐ読むことによって、理解が深まります。

正解した問題には〇をつけますが、不正解でも何もしるしはつけません。×や△を書き込む必要はありません。〇が付いていない問題は「課題」であることに変わりないからです。また×や△を書き込むと苦手意識が生まれやすくなってしまいます。〇だけを書き込むようにしましょう。

不正解だった問題は正解・解説を確認したあと、翌日以降に解きなおしをします。当日に解きなおしをしてもよいですが、正解をしても〇をつけてはいけません。〇をつけることできるチャンスは、1日に1回だけにしてください。睡眠を挟んだ後に正答できた問題のみに〇をつけるのです。

問題集には解答を書き込まないようにしてください。解答を書き込むと、解きなおしができなくなってしまうからです。同じ理由で、答え合わせをした後の正解も書き込んではいけません。

このようにして「自信をつける」、「知識・技術を定着させる」練習がある程度進んだら、再び「課題把握」のために総合問題を解きます。そうやって、学習を進めていくのです。

これが独学の基本的な流れです。自分の「できること」と「できないこと」を明確にして、「できること」を定着させていくのです。

独学に限らず、学習で大切なことは「定着」を目指すことです。そのためにも、定期的に(1週間に1回ぐらいの頻度で)総合問題など実践練習をするのがいいですよ。

【13】暗記をするときのコツ

勉強する時に暗記は欠かせませんね。

暗記をするときのコツはつあります。1つは何かしらの「関連付け」をすること。もう一つは「テストをすること」です。ここでもやはり、テストはとても有益です。

人間は情報を、関連付けて覚えています。ですから、関連付けを行うことで覚えやすくなります。全ての記憶術は「関連付けの技術」です。

ただ、一番強い関連付けは理解することです。ですから理解すればするほど、暗記はしやすくなります。「三角形の面積=底辺×高さ÷2」ですが、これと「平行四辺形の面積=底辺x高さ」と関連付けることができれば、忘れることはありません。

英単語も日本語と関連付けることで覚えやすくなります。たとえば「carry」は「運ぶ」という意味ですが、これは旅行かばんのキャリーバッグと関連付けることで覚えやすくなります。throughは「スルー」と発音しますが、これは「~を通って」という意味です。LINEなどで「既読スルー」という言葉がありますが、これは英語のthroughを使った和製英語です。もしくはサッカーの「スルーパス」とつなげて覚えるとよいですね。日本語として使われている英語は多いので、探してみるとよいですよ。

ゴロ合わせをしたりするのも、関連付けの1つです。ただゴロ合わせを考える必要はありません。インターネットでゴロ合わせを検索してみて、よいものを探しましょう。

関連付けができない場合、もしくは関連付けができた場合は、テストをして覚えましょう。

学習の基本は「課題把握」と「課題克服」の2つですが、暗記をするときも意識してください。つまり、まずは暗記内容をテスト形式に作ります。そして、テストをします。何を覚えていて、何を覚えていないのかをチェックしましょう。その後、覚えていないものを「関連付け」をして覚えます。そしてある程度自身がついたら、再テストしましょう。再テストをするのは、ある程度時間を空けてからにするとなおよいです。再テストをするときは全部を解きなおすほうがよいのですが、私は時間節約のために間違えたものだけを解きなおしています。ただし、また後日再テストをすることが前提です。先ほど書いたとおり、定着をさせたいときは分散学習が必要だからです。

なお、私は英単語を「mikan」というアプリで暗記しています。暗記用アプリを使うのもおすすめです。

【14】独学は難しくはない

独学は決して難しくはありません。むしろ、独学のほうが自分に最適な学習ができます。

ただ、独学では学習に向かわせる強制力がないため、自分で自分を律する必要が出てきます。

ただ、あなたならできるはずです。

無理をしない範囲でよいので、独学に取り組んでみてください。何度三日坊主になってもよいので、何度も何度も挑戦してみてください。

あなたなら、できますよ。

カラフル ~ふ登校カフェ~(親の会) &ワクノソト☆ 福井県敦賀市

福井県敦賀市で活動する不登校の親の会(誰でも参加できるお話会など開催)&学校教育の枠(ワク)の外に出てみよう!福井県敦賀市にあるフリースクール『ワクノソト☆』のホームページです。ワクノソトは休校中です。

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