フリースクール『ワクノソト☆』の三國雅洋です。
今回は「不登校支援で最も大切なことは、心の自傷行為をさせないようにすること」という話をします。
【1】学校に行かないのは、問題ではない。
本人が、自分自身の選択で学校に行かないのは、法律的に全く問題ありません。
もちろん、保護者が、子を働かせて学校に行かせないというのは法律的に問題となります。なぜなら保護者には教育を受けさせる義務があるからです。
しかし、本人が様々な事情を勘案した結果、「学校に行かない」という選択をしている場合、それを非難されるいわれはありません。
もちろん、学校に行かないことによるデメリットはいくつかあります。しかし、それはデメリットに過ぎません。法律的にも、倫理的に悪いことではありません。
【2】社会の多くの人は、勘違いしている
ただ、社会一般では学校に行くことを「正しいこと」と勘違いしている人ばかりです。
学校に行かないことを、倫理的に悪いことだと思い込んでいます。
これらの人々は、ホームスクール、フリースクール、および適応指導教室の、いずれも認めようとしません。学校に行っていないことを悪いことだと、暗に主張してきます。
それによって関係者が傷つけられることが頻繁に出てきます。
【3】周囲の人々を変えるのは難しい
このような人々は、感情で物を言っています。これらの人々が望むのは「普通であること」です。 この人たちは言っているのは結局のところ、「普通になりなさい」ということに集約されます。ですから、どれだけ論理的に説得しても意味をなしません。
相手方に変化を期待するのは、大変に難しいと言わざるを得ません。
【4】自己否定を止めること
周囲の人は、あなたに対して「普通のこと」である、「学校に行くこと(行かせること)」を求めてきます。それによって、子も保護者も傷つけられることが出てきます。
周囲の人々を変えることができれば一番ですが、それは難しい。
そうなったとき大切なのが、自己否定をしないことです。
「自分が悪い」と思わないようにすることが、何より大切です。自分で自分を攻撃することをやめることが、何より大切です。
他者から攻められている状態で、さらに自分自身で自分を傷つけてしまうと、心が休まる時間がなくなります。他者と距離を取ることは、ある程度は可能です。しかし、自分自身から距離を取ることができません。自分が自分のことを責め始めてしまうと、悪循環が止まらなくなります。
他者から、”言われなき非難”を受けなければならない状況であるときは、せめて自分は自分を攻撃しないようにしたほうがよいのです。
【5】心の自傷行為を、止めよう
私たちは反省を強制される社会に生きています。そのため私たちには、「反省することはよいことだ」という思い込みがあります。ですが、反省が必ずしもよいこととは限りません。
行動を反省することをよいのです。行動を反省することによって、行動が改善されることは心理学で示されています。
しかし、自分の人格を責めることは、単なる心の自傷行為です。「自分は悪い人間だ」、「自分は嫌な性格だ」、「自分には能力がない」、「自分はダメな人間だ」と思ったところで、何も行動は変わりません。行動が変わらなければ結果も変わるはずがありません。
自分の人格を責めることは、何も意味がありません。しかし私たちは、それをしがちなのです。
ですから、不登校支援をする人々がさせないように働きかける必要があります。
【6】「あなたらしくない」と伝える
心の自傷行為をしている子には、「あなたらしくない」と言ってあげましょう。 自分を低く評価する言動は、すべて否定することが不登校支援でするべきことです。たとえば子どもは「私は頭が悪いから」と言ったら、「そういうことを言うのは、あなたらしくない。」と言うことが大事です。自己評価を下げようとする言動に同意をせず、否定をしてあげることが大切なんです。もちろん、気持ちに寄り添ってあげることは大切ですが、その言葉に同意してはいけません。
あなたが保護者で「私が悪い」という思いが出てきた時にも、同様に「私らしくないな」と思うようにしましょう。
学校に行かないことは何も悪いことでありません。しかし、周囲はどうしても攻撃してきます。そしてその周囲の人々は、変えられません。ですから私たち、自分で自分を肯定してあげる必要があります。少なくとも、自己否定を止める必要があります。
その時の言葉は「あなたらしくない」「私らしくない」です。自分を常に高く評価するように子に、そして自分自身に働きかけをしていきましょう。
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