学業成績を上げるための頭の使い方

フリースクール『ワクノソト☆』の三國雅洋です。

今回は「学業成績を上げたいなら、ワーキングメモリを効率的に使おう」という話をします。

【1】学業成績が低い生徒ほど暗算をしたがる

私は18歳から家庭教師を始めて、そこから20年以上、教育指導に関わっています。

教育指導に関わった当初から思っていたのですが、学業成績の低い生徒ほど暗算をしたがる傾向があります。

学業成績の高い生徒は、式を丁寧に変形し、書きながら計算をしていきます。複雑な計算ほど丁寧に書き留めて、式変形を進めていきます。

一方で学業成績の低い生徒は、そのような式変形をしません。暗算で答えを出そうとするのです。

【2】ワーキングメモリ

認知心理学には「ワーキングメモリ」という概念があります。

簡単に言えば、「情報を処理するための場所」です。長期記憶が本棚だとすれば、ワーキングメモリは机です。長期記憶から情報を取り出して、ワーキングメモリ上で仕事をします。

https://home.hiroshima-u.ac.jp/hama8/working_memory.html

ワーキングメモリが多ければ多いほど、一度に多くの仕事をこなせます。複雑な暗算もでき、複雑な英文も理解しやすくなります。

人間のワーキングメモリは、7±2のチャンク(かたまり)しか保持できないとされています。大切なことはワーキングメモリは、そもそも大きくないということです。

反対にワーキングメモリが小さければ、一度に処理できる仕事は少なくなります。

【3】ワーキングメモリの無駄遣いをしている

 学業成績の低い生徒は、このワーキングメモリの使い方がよくないのだと思っています。頭の中で済ませようとするからこそ、失敗をするということです。

 たとえば証明問題が苦手な生徒ほど、仮定を図に書き込みしません。AB=CDと書いてあるのに、図に何も印をつけずにいます。これでは頭の中で「AB=CD」を覚えておかなければなりません。ワーキングメモリを使わなくてはならないのです。

 図に書き入れてしまえば、覚えておく必要はなく、ワーキングメモリを使う必要もありません。同様に、書き留めながら計算すれば、計算の途中経過を覚えておく必要がありません。ですから、使用するワーキングメモリは少なくなります。その分、ワーキングメモリを別のことに振り分けることができます。

 ワーキングメモリはそもそも最大でも9つほどのチャンク(かたまり)しか保持できません。この貴重なワーキングメモリを無駄遣いしているのですから、複雑な問題が解けるはずがないのです。

【4】ワーキングメモリはボトルネック

  物事を考えるとき、ワーキングメモリはボトルネックとなります。ワーキングメモリ以上のことを、頭の中で考えることはできません。

 だからこそ、ワーキングメモリはできるだけ節約して使うほうがよいのです。計算をするときも、文章を読み書きするときも、節約すればするほど脳全体の働きを高めることができます。

 昔から多くの天才は、多作です。アインシュタインも大量のメモを残していると聞きます。レオナルド・ダ・ヴィンチもそうです。ゴッホも多作で有名ですし、エジソンは言うまでもありません。彼らはアイデアを外に出すことによって、ワーキングメモリへの負荷を減らしていたのだと思います。

 つまり天才は、発想が天才的であっただけでなく、脳の使い方が天才的だったのだと私は思うのです。彼らはワーキングメモリーの特徴をしっかりと把握し、そのワーキングメモリを最大限に使うために、アイデアを外に出していたのだと思います。

【4】ワーキングメモリを大切に使う

 学習する時にはワーキングメモリが無駄遣いになっていないかを、よくよく考えましょう。頭の中にとどめておく必要のないことを、頭の中にとどめていないでしょうか。頭の中で処理する必要ないことを、頭の中で処理していないでしょうか。

 ワーキングメモリは、脳の作業効率の上限を決めるものです。できるだけ上手に使いこなすことを考えましょう。そして、そのためにワーキングメモリを使わなくてよいことは、できるだけ外に書き出すようにしましょう。

 できるだけ暗算ではなく、筆算をしましょう。図に書き込めることは書き込みましょう。手を動かしながら考えることを、忘れないでください。文章を考えるときも、アイデアをメモしながら考えるようにしましょう。

 ワーキングメモリは貴重なものですから、大切に使いましょう。あなたのワーキングメモリを最大限に活用できるように、工夫をしてくださいね。

ワクノソト☆(フリースクール) 福井県敦賀市

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